作品紹介No.8 小松の家(LDKとゲストルームの改装)



吉村 寿博
吉村寿博建築設計事務所
HP:http://www.yoshimura-archi.com

小松市の住宅改装物件です。内装業者さんからの紹介物件で、施主さんとは
全く面識のないところから始まった珍しいプロジェクトです。電気設備会社
を経営されている施主さんからの要望は「カッコ良くして欲しい!」という
一言でした。住宅内部の全面改装(主要室以外はクロスの張替え程度)でし
たが、大きく手を入れるのはLDKと中2階のゲストルーム、2階の寝室の3
部屋でした。こちらのブログでは、LDKと中2階のゲストルームを紹介して
います。(設計の詳細はこの記事の末尾に記載しています。長文になってし
まいましたがご容赦ください)



玄関からLDKに入る。エンジ色の部分は仏間に続く引戸となっている


手前の接客スペースと普段使いのリビングスペースが雁行して繋がる


天井を照らす間接照明が空間に統一感を与える


接客スペースからLDKを見返す


中2階のゲストルーム。家族の帰省や親戚の来訪時に使用するスペース


LDKの改装前写真。および家具から導かれた内装のカラースキーム

■内装の設計にあたって
小松市の住宅改装物件です。内装業者さんからの紹介物件で、施主さんとは
全く面識のないところから始まった珍しいプロジェクトです。電気設備会社
を経営されている施主さんからの要望は「カッコ良くして欲しい!」という
一言でした。住宅内部の全面改装(主要室以外はクロスの張替え程度)でし
たが、大きく手を入れるのはLDKと中2階のゲストルーム、2階の寝室の3
部屋でした。寝室と他の諸室は壁クロスの選定や窓のスクリーンの選定をさ
せていただきました。既に改装計画が進んでいたところ、途中から入る形に
なったので、既に決まっていたキッチンの選定(カラーコーディネート)や
食器棚の整理を行ないつつ、施主さんの好みを探る打合せとなりました。

話をよく聞いてみると、たまに帰省される娘さんに「カッコイイね!」と言っ
て欲しいという施主さんの可愛らしい思いが動機だったことが分かりました。
幸い家具の選定まで任せていただくことになっていたので、どんな家具を置く
か、というところから空間のイメージづくりがスタートしました。娘さんの話
を聞くまでは、施主さんのファッションや小物から連想されるスタイリッリュ
な家具をイメージしていたのですが、これはちょっと方向性が違うなと思いは
じめました。大きく方向転換して、金沢市広坂にあるNOWさんの家具(北欧
家具)を入れる事を思いつきました。施主さんの年齢相応の、新品の家具とい
うよりは味わいのある、少し手の跡がある家具が相応しいと感じました。落ち
着きのある家具と空間、ここからイメージは膨らんでいきました。

普段は内装に色を使う事は滅多にないのですが、家具のセレクトが徐々に進み、
クッションの生地などを選定するにつれ、この家具と調和する空間を作りたい
と思うようになりました。ヒントになったのはフィン・ユールの自邸です。
左右に配置された天井の間接照明によって空間に奥行きをあたえ、面によって
少し色を変えて空間のメリハリをつけました。突き当たりの2つの面にはテレ
ビが内蔵されています。左の面は仏間へ続く扉を半分隠す事でテレビ収納とし、
右奥の面は普段使いのテレビがスライドドアの中に収納されています。元々の
間取りではLDKに入るなり大きなテレビとソファセットが置かれていましたが、
この普段見ないテレビが主張しているような空間は避けたかったという意図が
あります。パナソニックのキッチンも色選びが効いて空間に馴染む場所になり
ました。ギリギリのタイミングでしたが色を変更させてもらって正解でした。

最後に一番気にしていた照明計画の件です。空間の印象をすっきりさせるため
に、普段天井面にはなるべく照明器具を配置しないよう心掛けています。間接
照明で全体をほんのりと明るくし、必要な場所にピンポイントでペンダントな
りダウンライトを配置する計画としています。改装前の蛍光灯主体の部屋から
比べるとかなり暗く感じるだろうと思っていたので、ここは施主さんの理解が
得られるかどうか、少し心配していた部分ではありました。明るさの感じ方は
かなり主観を伴うからです。試験点灯した日が、冬場で天候が悪い日だった事
もありますが、一言「暗い!」と言われ、心底焦りました。元々、局所照明は
フロアスタンドでカバーする計画だったのですが、直ぐに慣れると思いますが
と言ったものの、かなり不安でした。。

家具搬入等が終わり、引渡しの数日後に訪ねたところ「最初は暗いと思ったけ
ど気分が落ち着いていいね!」と言われ、肩の荷が下りた気がしました。本当
にホッとしました。

中2階のゲストルームは、和室6帖2間を洋室に改装する計画で、ホテルみた
いにしたいという要望でした。天井高さが高いシンプルな部屋だったので、床
と天井に色を入れ、正面の壁を間接照明で照らしあげることで雰囲気をつくり
ました。元々あったミニキッチンは洗面カウンターに変更。こちらも間接照明
で雰囲気を柔らかくしています。

LDKとゲストルームという限定的な場所に対する提案でしたが、普段考えない
ことを色々と考える機会があり、大変自分の勉強になりました。自分にとって
もお気に入りのプロジェクトとなりました。また、家具と空間の調和というの
はとても大切だなと改めて感じました。本当によい経験でした。


 

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

  • 緊急フォーラム「震災を考える」のご報告(吉村寿博)
    安東俊幸 (05/28)
  • 8/22 リレートークショーIV 02「里山の住宅 その素材と風景」
    盛下 敏成 (08/20)
  • 8/22 リレートークショーIV 02「里山の住宅 その素材と風景」
    安田 均 (08/19)

profile

search this site.

others

mobile

qrcode